Report
昨年までのAIをめぐる議論では、導入の広がりやそのスピード、倫理面の問題が主な焦点となっていましたが、今年はその関心が「コスト」へと移っています。
もはや、AI導入の速さを問う段階ではありません。Perforce社の「2026 State of DevOps Report」では、成熟度の高い組織の72%で、AIがすでに業務プロセスに深く組み込まれていることが明らかになりました。AIへの投資が拡大するなか、そのコストにも注目が集まるようになり、経営層はその投資によって実際に何が得られているのかを問い始めています。
ただし、この問いに単純な答えはありません。今年のレポートが取り上げるのは、まさにその複雑さです。調査では、AIによって実際に作業時間を短縮できているという声がある一方で、雇用の安定性や成果物の品質、人間の判断が今後どのような役割を担うのかといった点について、懸念も示されています。本レポートでは、こうしたAIの成果と課題の両面に目を向け、全3セクションで、AIが実際に成果を上げている領域、現場に負担をもたらしている領域、そして、もともとゲーム向けに開発された技術が、ゲーム以外の幅広い分野でも基盤技術として浸透しつつある状況を取り上げます。
主な調査結果
AI導入そのものはもはや議論の中心ではなく、今問われているのは、その影響とコストである。
回答者の50%が、雇用の不安定化や自身の役割が不要になることへの懸念を挙げました。また、49%がAI生成コンテンツの品質の低さや不正確さを問題視し、48%が倫理面やコンプライアンス上の懸念を示しています。さらに、ワークフローにおける創造性や人の関与がAIによって低下したとする回答も36%ありました。議論の焦点は、「どれだけ早くAIを導入できるか」から、「導入によってどのような代償が生じているのか」へと移っています。
AIを積極的に導入している業界ほど、大きな成果を上げている。
AIの利用はメディア&エンターテインメント(M&E)と自動車・製造業で特に進んでおり、ワークフローの高速化も他業界と比べて顕著です。昨年のレポートでは、M&EがAI導入をリードし、この業界の回答者の86%がすでに生成AIを活用していました。今回の結果からも、AI活用が深く浸透している業界ほど、生産性向上の効果が大きく表れていることが分かります。
バージョン管理システムとゲームエンジンは、目立たないながらもワークフローを支える重要な基盤となっており、その活用範囲はさらに広がっている。
バージョン管理システムの利用率は、2025年の86%から今年は94%まで上昇しました。ゲームエンジンにも同様の傾向が見られ、ゲーム以外の用途へと活用が広がっています。今年の調査では、さまざまな業界への浸透がこれまで以上に鮮明になりました。
本調査にご協力いただき、各業界で起きている変化について貴重なご意見をお寄せくださった皆様に、Perforce社を代表して心より御礼申し上げます。本レポートをきっかけに、新たな議論や新たなアイデアが生まれることを期待しています。

Brent Schiestl
プロダクトマネジメント担当シニアディレクター
Perforce Software
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